2020年4月1日
【豊島通信】~不定期連載 その1~
私が2年半前から暮らし始めた香川県豊島(てしま)。
島の周囲は約20㎞、人口約800人。瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
40年以上前に産業廃棄物の不法投棄で有名になった島ですが、
今はアートの島として国内外からたくさんの観光客の訪れる島です。
3月の半ば、久し振りに1週間、島に帰りました。
「ただいま~」と帰ってきた我が家のやや荒れた庭には
ムスカリや水仙が咲いていました。
まずは留守中に家の管理をお願いしている友人から
柑橘と産み立て卵のお裾分けがありました。
(今年は柑橘が豊作だったとのこと)
畑仕事をしていたご近所さんに帰宅の挨拶をすると、
ブロッコリー、ワサビ菜、パセリを手渡されました。
(少し期待していました)
海へワカメを採りに行こうと思ったら、
海苔小屋の仕事から戻ってきた友人に会い、
分葱、大根をもらいました。
(ワカメは私の装備が甘くて採れませんでした)
夕ご飯を食べ終えてお茶を飲んでいたら来客が、、、
焼きたてのレーズン食パンが届きました。
(待ってました~!!)
豊島には小さな商店はありますが、いわゆるコンビニやスーパーはありません。
海産物は海から、野菜は畑から。
今は山菜のシーズン、山菜は野から。
この調子だと買い出しの必要なさそうです。理想的です。
私がここの生活で気に入っていることの一つに、
この小さなコミュニティーの中で、
ある程度生活が整うということがあります。
食料の自給率が高いことは勿論、近隣の人たちと
お互い様の気持ちでつながっていること、
このことは都会で便利に快適に暮らすよりもずっと安定感を感じます。
毎日毎日「昨日より春だねぇ」と過ごし、あっという間に1週間経ちました。
最後の日は我が家の食材を空にすべく、
友人で集まって持ち寄りご飯会。
メインはたこ焼き。
小松菜のお浸し、大根サラダ、きのこのテンペラー、
大根と油揚げの煮物、つくしの佃煮。
生きることは食べること。
どこで、何を、誰と食べるのか。
豊島の食卓はここの生活の全てを集約しているように思います。
あともう少しで蕨が出てくるのですが、、、
今回はスーツケースに伊予柑、八朔、金柑、レモンをいっぱい詰め込んで
こちらに帰ってきました。
豊島とこちらの2拠点生活を模索中の春です。 村松