2024年5月29日
【健康コラム】☆薬草よもやま話 ~ドクダミ(十薬)~
『蓬(THE HOH) 1977年6月10日』より、転載
うっとうしい初夏にけなげにもそれに立ち向かうべく白い花を咲き
誇っているドクダミは何とも言い難いものがある。この花をよく観察
すると花穂が立ち、花軸も回りに淡黄色の細花が一面に密着して
咲いている。その茎部には、白く十字形に総包が配されている。
注意して見ないと弁化した総包を花びらと見違えがちである。
ドクダミの言葉の由来はこの草の効能によるものである。毒を
集める。よせる。とどめるという薬効から、毒留と呼ばれていたものが、
語尾が変化してドクダミとなり、今に伝わったということである。
ドクダミは得意な臭気を有しておりなんとなく毛嫌いされがちである。
古書には「この匂いは腥(ナマグサ)い。そこで一名、魚腥草と呼ぶ。」とある。
この草は昔から有名な民間薬として知られている。慢性鼻炎、蓄膿症では
患部へ生薬を一日数回、塗布するとよいとされている。またこの草を
日干しにしたものを煎じて飲むと、脚気、高血圧、動脈硬化などの予防や
治療になる。