2024年4月23日
【豊島通信】~不定期連載 その7~
豊島では開く桜を眺めながらうららかな日々過ごしてきました。
「明日の朝はお花見しよう~」と友人と約束し翌朝7時に待ち合わせ。
山の上まで車で約30分。朝ご飯を食べながら満開の桜を眺めていると、
友人夫婦も愛犬を連れてやって来ました。
朝思い立ってカセットコンロとコーヒーセットを積んで来たそうです。
コーヒーを飲んだら「これから店を開けるから~」と
ぴゅーと帰っていきました。
こんな気軽なお花見は豊島の春の楽しみの1つです。
さて、今回は師匠(92歳の現役の農家さん)の指導の下、
畑にいちじくの苗を植えました。
去年の秋から作った苗、いちじくは水が大好きなので
川の近くや粘土質の土壌がいいと、すり減って年季の入ったスコップを持ち
率先して畑へ入っていきます。
まず、表面の草の根を断ち切るように土を剥ぎ、
そのあと植える苗の10倍の大きさのすり鉢状の穴を掘ります。
3人で2時間かけて日の沈む前に西洋いちじくと
日本いちじくを完璧に1本ずつ植えるこができました。
更に3年目の田んぼの活動も始まりました。
無農薬無肥料、機械の一切はいらない不耕起の自然農の田んぼです。
まずは苗代を作るための種籾(たねもみ)の準備です。
去年収穫して取っておいた稲穂から※籾(もみ)を外します。
今年は小学校3年生の男の子もメンバーに加わりました。
※籾はまだ籾殻(もみがら)がついた状態で籾殻外すと玄米になります
先日友人と『戦雲』という映画を観ました。
着々と軍事要塞化する沖縄南西諸島を2015年から8年かけて記録した
ドキュメンタリー映画です。
映画を観て以来、いっそう私たちの暮らしや平和の意義について
考えることが多くなりました。
世界中で紛争は収まらず、それを自分達の暮らしに当てはめて考えてみたりします。
豊島は島民700人余の小さな島ですが、みんなが同じ考え方を持って
同じ方向を向いて暮らしているわけでは決してありません。
人との関わり合いが密なので、
人となりや相関関係が見えなくても良いところまで
見えてしまうこともあります。
しかしこうやって手を動かし体を動かし、
世代の違う人と様々な場所で関わり合うことが
私たちの暮らしの平和を築くことになるよねぇ
と桜を眺めながら友人とそんな話をしました。